円谷ウルトラファンサイト・円谷平成黄金ブームの再来

突然訪れた英二の死

唐突に訪れた英二の死後、息子たちを初めとする後進も、必死で特撮の火を消すまいと努力した。

英二の息子、一(はじめ)が総指揮した「帰ってきたウルトラマン」は、かつてのウルトラシリーズを思い起こさせる力作であったが、この息子も英二の死後、わずか3年で亡くなり、後は次男の皐(のぼる)が引き継いだ。

また、円谷プロを離れた特撮人も各地でその力を振るい活躍した。彼らもまた多くの作品を残していった。 しかし、英二によって作られた「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」は、その後も何度も再放送され続け、現在に至っている。新しい特撮番組が次々と登場しては消えていく中で、英二の作った作品はずっと放送され、子供たちが見続けることになった。

80年代〜90年代の円谷プロダクション

80年代に入り、家庭にビデオが常備品となると、ウルトラシリーズはさらに家庭に身近になった。 子供たちは再放送を待つまでもなく、いつでもウルトラマンを見ることができるようになった。

90年代に入ると、少年時代に「ウルトラマン」に強烈なインパクトを受けた人々が親の世代になり、生まれた子供はやはり怪獣ファンになった。ウルトラマンは日本で初めて、親子が一緒に楽しめるヒーローとなった。

英二本人がもうこの世にいなくても、作品は永遠の命を持ち、いつまでも子供たちに愛されていく、世代が次から次へと代わっても、前と全く同じ様なインパクトを持って子供たちを魅了し続けるのである。

また、英二の名を一躍世間に広めた「ゴジラ」は、その後も続編が次々に登場し、英二の死後も後進によって製作され続け、最近では最新のCGによってアメリカ版まで登場した。アメリカ版は本国でも批評の嵐だった。多くの人は「ツブラヤと違うじゃないか。」と不平を言った。英二の名前と実力は、外国にまで浸透しているのである。

円谷英二の人生とファクター

円谷英二の人生には、夢、技、愛という重要な3つのファクターが考えられる。
円谷英二の人生は、小さな頃から将来の夢を大きく持ち、そしてその夢を実現しようと取り組んだ一生であったといえる。

生涯が夢を実現するための連続であったのである現在、将来に夢を失っている若者が多くなっていると聞くが、そういう人たちには見習って欲しい事である。夢は安直に実現するものではなく、不断の努力が必要であることと、夢は立った一つの単調なものではなく、無限に広がっている事もふくめて。

英二は映画界入りしてからいろいろな側面で日本映画界の技術発展に取り組み、多くの功績を残している。 日本映画界のレベルを向上させたばかりでなく、自らもプロとしてのプライドを持っていた人物であった。 どのような場面を提示されても、必ず「出来るよ!」と答えたと言われているが、そういったプロ意識としての「技」の集約も、英二ならではのものであった。

また、英二の最大の特徴は、映像が多くの人々、とりわけ子供たちに向けられている事実をふまえ、自分の作り出す映像の中に、残酷な場面や汚らしい映像は努めて出さないような工夫をこらした点にある。 映像が子供たちに与える影響が大きいことを熟知していたのである。

怪獣映画もまた、英二の手に掛かれば次第に恐怖の対象ではなくなり、子供たちのアイドルとして慕われるようになっていった。現在、子供を巡る犯罪が多発しているが、安直に子供受けをするものだけが画面に氾濫し、英二ら先人の思想が商業主義によって踏みにじられた結果と言えなくもない。円谷英二は自らが子供好きであったこともあり、映像の中に限りない愛をもたらしていったのである。

円谷平成黄金ブームの再来

長い氷河期だったといわれていた円谷プロに平成ウルトラ黄金ブームが到来した。 それは、いわゆるイケメンヒーローの出現により、こどもたちと一緒に視聴していた多くの主婦たちが火付け役になったといわれている。

確かに苦境に陥った時に彗星のこどく表れ絶対的強さと頼もしさと正義。 そのヒーローとシンクロする主演俳優の存在はたくさんのファンを魅了した。 彼らの魅力がウルトラのイメージを高めたということは言うまでも無い。

しかし、我々は感じていたのである。
魂のもっと奥の深いところで銀色の巨人と出会ったあの瞬間を あの感動を覚えていたのである。

円谷英二とそのスタッフの想いは、あの当時こどもたちだった我々の魂に届いていたのである。

ウルトラマンにがんばれーと絶叫した自分をドキドキハラハラしながら見守ったウルトラワールドを 悲しい事件や犯罪が起きるたびにまっすぐにウルトラマンを見つめいたあの瞳を 辛いことや恐怖がある時に守ってくれていた。ウルトラマンたちを

時間は戻れないが忘れることはない。 円谷英二よありがとう。

円谷英二が届けたかった子供達に夢を
私たちも伝えていきたいとここに集る。

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