円谷ウルトラファンサイト・ウルトラマン生誕40周年記念作品「ウルトラマンメビウスとウルトラ兄弟」登場怪獣・星人

劇場版「映画ウルトラマンメビウスとウルトラ兄弟」登場怪獣・戦闘能力・登場背景・特徴など

■【強悪宇宙人 ザラブ星人】

特徴:ザラブとは、彼らの言葉で「兄弟」の意味。狙った星を混乱させ、滅ぼすのが使命。邪魔なウルトラマンと科学特捜隊の信頼を無くそうとする。スペシウム光線で炎上した。人間に化けて人々を騙す卑怯な性格。メビウスに擬態して戦いを挑む。身軽な戦いが得意。空中高くジャンプして、メビウスに襲いかかる。メビウスもスーパージャンプで対抗する。(ウルトラマン第18話「遊星から来た兄弟」、第33話「禁じられた言葉」登場)

※かつて、ウルトラ兄弟たちを苦しめた強力な宇宙人たちが、再び攻撃を仕掛けてきた。神戸の町を舞台に、 ウルトラマンメビウスとウルトラ兄弟たちのすさまじい戦いが始まる!

突然街を破壊し始めたメビウス。それはザラブ星人が化けたニセ者である。 ザラブ星人、ガッツ星人、ナックル星人、テンペラー星人。 宇宙人たちが手を組んで襲って来た。メビウスはひとりで4大宇宙人に立ち向かう。

■【分身宇宙人 ガッツ星人】

特徴:全戦全勝を誇る侵略者で、 周到に相手の能力を研究後、攻撃にかかる。

セブンがダンと知るが、あくまで地球の希望・セブンの姿の時に倒すことに意義を認める。 警備隊に嘘の通報を行って、5回目に現れたダンに宣戦布告した。

1回目の夜襲が失敗すると、今度は泉ヶ丘でセブンのエネルギーを消耗させ、十字架に張り付けにする。 だが、マグネリュームエネルギーを補充して復活したセブンにより、円盤ごと打倒される。

フルハシの知人・夏 彩子(演:新井茂子)は「変な動物」と称した。 頭が良く、頭脳作戦で敵を追いつめる。

分身の術を使い、メビウスを挟みうち!(ウルトラセブン第39話・40話「セブン暗殺計画 前・後編」、 1998ウルトラセブン誕生記念作品3部作 第2話「地球より永遠に」登場)

■【暗殺宇宙人 ナックル星人】

特技:宇宙電波研究所を地球侵略の隠れ蓑にしており、所長と数人の部下がいる。 再生怪獣を使ってウルトラマンの武器や能力を研究し、更に精神的ダメージを与える為に坂田とアキを残酷な手段で殺害した。策略通りにウルトラマンを倒したが、初代ウルトラマンとウルトラセブンに救われたウルトラマンよって計画は全て崩壊した。MATの特殊火薬サターンZを奪い、これを切り札としていた。

勝つためには手段を選ばない、冷酷な宇宙人。強力パンチやキックでメビウスを攻め立てる。 メビウスも必殺パンチで反撃だ!

(帰ってきたウルトラマン第37話「ウルトラマン夕陽に死す」、38話「ウルトラの星 光る時」登場)

■【極悪宇宙人 テンペラー星人】

特徴:ウルトラ兄弟の宿敵で、ウルトラ兄弟を以前から知っていた。

兄弟が集まっているのを知り、地球を襲撃する。人間に乗り移る能力があり、 ウルトラ兄弟を見破るスペクトル光線も備えている。 6兄弟全員を相手に戦うが、タロウの新必殺技ネオ・ストリウム光線で倒された。

メビウスを倒して、宇宙人連合のリーダーになろうと目論んでいる。 (ウルトラマンタロウ第33話「ウルトラの国大爆発5秒前!」、34話「ウルトラ6兄弟最後の日!」登場)

※空から襲ってくるテンペラー星人との超高速バトル。 メビウスも素早いキックを打ち込む。

※ウルトラ兄弟vsガッツ星人、ナックル星人の激突。2体の頭脳派宇宙人との迫力あるバトル。
かつてウルトラセブンを倒したガッツ星人は、対ザラブ星人で疲れたメビウスを襲う。相変わらずな頭脳作戦に出た。 しかし、そのピンチに、かつての勇者たちが登場する。

■【異次元人 ヤプール】

特徴:異次元空間に君臨する謎の侵略者。強力な生物兵器「超獣」を操り、三次元世界へ攻撃を加える。 既に多数の星を支配下に置き、星人をエージェントとして送り込む。

性格は残忍・陰湿。地球を手に入れる為なら手段を選ばない。特に人間の暗部につけ込み、 踏みにじる戦略を好む。怨念を集結させるどの超常能力も持っている。(ウルトラマンエース全般的に出没)

■【異次元超人 巨大ヤプール】

特徴:ヤプール老人によって異次元へ連れ去られた子供たちを助けるため乗り込んできたAに対し、 全ヤプールが合体した最強形態で立ち向かう。

日頃の卑劣な言動とは裏腹に、Aと真っ向から勝負する。 両者光線技の応酬と格闘戦で互角の戦いぶりを見せるが、 Aの技数がわずかに上回り、ストレート光線、メタリウム光線の連射で四散する。

その飛び散った破片は地上に降り注ぎ、その後も災厄をまき散らすことになる。(第23話「逆転!ゾフィー只今参上」)

ヤプール解説

「人間を滅ぼすものは人間だ…」、ウルトラマンA第4話「3億年超獣出現!」 で、ヤプールはこう言い放ちました。

この回に登場した超獣・ガランは、TACの美川隊員に想いを寄せる漫画家・ 久里虫太郎の恨みの念を利用してヤプールが誕生させたものでした。

この回に象徴されるように、ヤプールはしばしば人間の心を利用したり、 人間の弱さにつけ込んだ作戦を展開します。それがヤプールの恐ろしさの一つです。

そして、そんなヤプールが地球攻撃の尖兵として創り出したのが生物兵器たる「超獣」です。 これは、当時の児童誌などでは「宇宙生物と地球生物を合体させたもの」と解説されていました。 しかし、作品を観ていると、そんな単純なものではないことに気づかされます。

前述のとおり、人間の怨念を取り込んで更に強力な存在となったり、人間と同化したり、 身体の一部が機械そのものだったり、ヤプール人自身がその一部となったり…。

ヤプール同様、その下僕たる超獣も、エピソードごとに実にとらえどころのない存在として描かれています。 しかし、超獣に共通しているのは「兵器として産み出された」という側面です。しかも、それはただの兵器ではありません。

ヤプール人が自分達の欲望の充足のため、「いのち」をもてあそび創りだした生物兵器、それが「超獣」なのです。 このようなヤプールのイメージは、「A」 のメイン脚本家・市川森一氏により確立された部分が大きいように思えます。

市川氏は「A」の作品世界で、いくつかのキリスト教的モチーフを用いています。その中で、ヤプールは「悪魔」や、 抽象的な「悪」の概念が委ねられた存在でした。

最終回、ウルトラマンAこと北斗星司は地球を去ることになります。その原因は、ヤプールにより作られたものでした。 しかも、実に巧妙に…。

この最終回「明日のエースは君だ!」には、市川氏と「A」のスタッフからのメッセージが込められています。 そして、このタイトルの意味は「君もエースになれるよ」といった無邪気なものではありません。

この最終回を観たことのある方なら、このタイトルに「君がエースの立場ならどうする?」という、 深い問いかけが含まれていることをご存知のことと思います。

地球征服のための大作戦を展開するかと思えば、その一方で、人を悲しませること自体を楽しむような行為を行う ヤプール…。

それは市川氏の託した抽象的な「悪」、さらにいえば、人間の心に潜む「悪意」 そのものをイメージ化したもののように思われます。 だからこそヤプールは不可思議で抽象的な存在として描かれたのでしょう。

ウルトラマンA最終回「明日のエースは君だ!」は掛け値なしの傑作ですし、 「A」世界を締めくくるにふさわしいエピソードです。

△このページトップへ